綺麗に造形するコツ

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1 ■綺麗に造形するコツ

綺麗に造形するためには、沢山の調整が必要になる。現在の3Dプリンタは自動での調整がほとんどできないため、調整を手作業で行うことになる。これが、現在の3Dプリンタの限界である。以下は、そのコツを列挙した。

この図は調整のフローを図示したものである。この順番で調整をすることが無駄な調整を防ぐことになる。造形に問題がある場合は何度も前に戻って調整を行う必要がある。

調整フロー.png

2 ■機械(ハード)の調整

正常に造形できない場合は、まず機械(ハード)から疑うこと。ハードの調整からソフト(スライサー)の調整へと進めること。

2.1 ◆Z軸

2.1.1 Z軸送りねじ、2本のリニアシャフトの調整

・送りねじ、2本のシャフトが正確に調整されていないと、ベッドが水平にならなかったり、上下移動のときにベッドが揺れたりする。(ベッドの揺れは角をみているとわかる)
・リニアシャフトは通常では焼き入れがされていないので、長期間使用するとシャフトに筋が入り造形表面に縞ができる。研磨するか、同じ部品と交換する。可能であれば焼き入れされた部品と交換するのが良い。

・ベッドの前側が下がっている場合は、シャフトの上のボルトをゆるめて背面側に動かし、水準器を使って水平にする。その場合、ベッド調節のねじを最もしめた状態で調整すること。
・送りねじは、カップリングと緩みなく正確に留められていることを確認すること。
・ベッドを留めているリニアブッシュのボルトの緩みも確認すること。緩んでいると水平が変動する原因になる。

2.1.2 ベッドとノズルの隙間を適切な距離に調整する

・基本的には造形開始直前の状態でノズルとベッドの隙間が0.1~0.2mm程度が望ましい。
・名刺や紙がノズルに当たりながらも動く程度がだいたい0.1mm~0.2mm。
・隙間ゲージ(シンワ シックネスゲージ は400円以下送料込)を使うのもおすすめ。
・この数字はフィラメント種類や出力するノズル経によって違うため最適な間隔を見つける必要がある。
・たとえば、0.2mmのノズル経で0.2mm隙間で設定した場合ベッドへの定着がしにくくなり、0.5mmのノズルで0.1mmの隙間で設定した場合は1層目の出力が潰れる・詰まるなどの問題につながる。4隅を2周かけて確認すると良い状態になる。(最初のポイントは次やその次のポイントの調整により影響をうけるため)
・ブリムを使って造形した場合、ブリムの軌跡が綺麗にそろっていると適切な間隔になっている。軌跡が曲がったり乱れていると離れすぎ、平たくつぶれて薄い膜状になっていると近すぎる。
・MDF板のベッドの場合、ABS等の造形でベッド温度を上げるときは本体の熱による膨張も考慮し、10分~20分程度経ってから確認作業を行う必要がある。

2.1.3 ◎旧BS01向けカスタム部品による対策

ベッドがMDF板のタイプからアルミ製のものへ変更すると熱による影響も少なく、水平が取りやすく、調整が楽になる。特に精密な部品を作製したいのであれば、アルミ化は必須といえる。 現在、純正品では4点式と3点式の2種類が存在する。

http://www.bonsailab.asia/store.html

エランズクラフト製アルミテーブルが良い方はこちら。

http://elanscraft.theshop.jp/

2.2 ◆XYガントリーのベルトの張り

2.2.1 モーターベルトのテンションを確認する

特にX軸、Y軸のモータから直接出ている小さいベルト(モーターベルト)のテンションは強めに張ること。この部分の調整は目に見えて出来栄えに影響する。
正確な円や四角が描けていない場合は、ほぼモーターベルトのテンションの問題である。

また、造形物の表面に縞模様が出ている場合、X軸、Y軸のモーターベルトのテンションに差がある可能性がある。
目安はベルトの中間を指で軽く押して2mmほど撓むくらいで、硬すぎても良くない。

初めて造形をする場合は、慣らし運転(フィラメントを出さずに動かすこと)を2~3日行うとベルトがなじんでくるので、その後再度テンションをチェックすること。

【改造】モーターベルトテンションを調整する部品をつくる

◆モーターベルトテンション調節機能つきブラケット

http://bs01.3dprinterwiki.com/index.php?title=BS01%E6%94%B9%E9%80%A0%E9%83%A8%E5%93%81#.E2.97.86.E3.83.99.E3.83.AB.E3.83.88.E3.83.86.E3.83.B3.E3.82.B7.E3.83.A7.E3.83.8A.E3.83.BC.E3.81.A4.E3.81.8D.E3.83.A2.E3.83.BC.E3.82.BF.E3.83.BC.E3.83.96.E3.83.A9.E3.82.B1.E3.83.83.E3.83.88.E3.81.A8.E3.82.AC.E3.83.B3.E3.83.88.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.82.B5.E3.83.9D.E3.83.BC.E3.83.88

2.3 ◆ベッドを使用するフィラメントに合わせてセッティングする

PLA / ABS共に安定的に定着させるためにベッドをアルコール洗浄するなど綺麗に保つことを心がける。
定着には花王ケープのヘアスプレー(スーパーハード、3Dエキストラキープ)=以後ケープがお勧め。
http://www.kao.co.jp/cape/product/

2.3.1 ◇PLA系の場合

ベッド温度:20~60度。基本的に無加熱(常温)で良い。
表面素材:
・BuildTakを推奨。通常はそのまま使うが、定着が悪いときは、定着剤にケープを用いる。
・マスキングテープの場合は、定着剤にスティックのり(しわなしPITが良い)を用いる。
・カプトンテープの場合は、定着剤なしでそのまま使うか、ケープを用いる。
・アルミ板の場合は、定着剤にスティックのりを用いる。
※なお、BuildTakとケープの組み合わせで、ベッドを加熱することなくABSの造形が可能である。

2.3.2 ◇ABS系の場合

ベッド温度:60度~110度。
表面素材:
・BuildTakを推奨。通常はそのまま使うが、定着が悪いときは、定着剤にケープを用いる。
・マスキングテープの場合は、定着剤にスティックのりを用いる。
・カプトンテープの場合は、定着剤なしでそのまま使うか、ケープを用いる。
・耐熱ガラスの場合は、定着剤にケープを用いる。
・銅版の場合は、定着剤にケープを用いる。

※スティックのりは100度程度で粘着性が極端に悪化するため注意が必要である。
※アルミ板とケープの相性は悪いので組み合わせて使わないこと。

2.4 ◆エクストルーダー(フィーダー)

2.5 ◆ノズルを使用するフィラメントに合わせてセッティングする

標準的なノズル径は0.4mmである。これより小さいノズルもあるが、より調整が難しくなる。
ノズル周りにフィラメントが付着すると詰まり等の原因になるため利用後は綺麗に掃除することが重要。簡単な掃除はノズルを100度程度に加熱したまま、綿棒で汚れをふき取ると良い。
材料の異なるフィラメントの交換時には異種フィラメントの化学反応によって詰まりを誘発する場合があるため個別に用意するのがベスト(MUSTではない)。
ノズル温度は基本的には出力できる下限側で調整すると垂れや変形が少なく造形できる。

◇PLA系の場合
200~220℃

◇ABS系の場合
230~240℃

2.6 ◆その他

2.6.1 強制冷却ファンダクトをつける(PLAのみ適用)

PLAの場合、冷却ファンで造形物に風を当てることで、より綺麗な造形結果を得ることができる。
BS01部品置き場に強制冷却ファンダクトデータが置いてあるので、ABSを使い造形後ヒートシンクの部品の代わりに装着する。
DUCT.jpg

3 ■3Dデータモデル調整

3.1Kacieのプリント術TOP10TIPS

こちらには主に3Dデータモデル調整のTIPSが書いてあります。

4 ■スライサーソフト&フィラメントの調整

スライサーソフト(フィラメント)の調整は、必ず機械(ハード)の調整が完了してから行うこと。ハードの調整がなされないまま、ソフトの調整をしても決して改善されることはない。もっとも初心者が失敗しやすい部分である。

4.1 ◆基本編

基本的な調整項目には以下の4つがある。まず、デフォルトの値から、この4つのみを変更し、チェックのためのデータ(立方体や円柱など)を用いて造形すること。 決して、いきなり複雑なものを造形してはならない。フィラメントの無駄であるし、ほぼ失敗する。

4.1.1 (1)積層厚

0.2mmの積層厚を基本とする。 表面の品質を良くする、もしくは精密な造形を行う場合は、0.1mmで行う。 大きな部品やスパイラル造形を行う場合は0.3mmで行うと良い。

4.1.2 (2)充填率

充填率は0~100%(0~1) 充填率が0%の場合は中空になる。 100%にしても、完全に中身が満たされる訳ではない。 充填率や充填構造の設定に応じて、内部の構造が変わる。 また、内部構造の梁の位置が表面の模様に現れる場合もある。
充填率が低ければ造形時間は短く、高ければ造形時間は長くなる。

4.1.3 (3)印刷速度(mm/sec)

表面の品質をよくする場合は遅く、造形時間を短くするときは速くする。
速度が速いと、フィラメントを引き込む速度も速くなるため、それだけノズル内の圧力も高くなり、射出不良になりやすくなる。

4.1.4 (4)ノズル温度

フィラメントの種類により変化するが、PLAでは200~220℃、ABSでは230~240℃が基本。
一般的なフィラメントだと、低ければ硬くなり、高ければやわらかくなる。
表面やオーバーハングが垂れる場合は低くする。
逆に低すぎる場合は、積層の末端がばらけて積層がはがれたり、フィーダーからノック音(コンコン)がして射出不良になる場合がある。
また、吸湿したPLAではノック音が出て射出不良になることが多いので温度を上げると改善する場合がある。

4.2 ◆応用編


4.2.1 (1)リトラクト値

積層の方向や高さが変わるときに、その部分の垂れをなくすため、ノズルの中に少しフィラメントを引き込むための値。 造形物が糸を引く場合は、この値を大きくすること。 やわらかいフィラメントの場合、この値を小さくしないとフィーダ内部で絡まることがある。

4.2.2 (2)射出率(押し出し率)

フィラメントが太く出る場合は、この値を低くすること。太すぎるとフィラメントが垂れる。 フィラメントを細くすることで造形物を早く冷やすこともできる。また、表面の繊細な模様を浮かび上がらせることができる。

4.2.3 (3)壁の厚さ

壁の厚さはノズル径が0.4mmの場合、1枚壁厚が0.4mmになる。2枚壁では0.8mm、3枚壁では1.2mmとなる。 壁を薄く1枚壁にすることで、表面に出る縞模様をなくすことができる。この縞模様は外壁と内壁のズレによって起こる。
また、壁は薄いほど造形時間が短くなる。ただし、薄くすると強度は下がるので、造形物に応じて設定すること。 文字のような細いものを造形する場合、壁の厚さが厚いままだと、天井部分が造形されないため、文字の中が抜けたようになることがある。

4.2.4 (4)天井の厚さ

薄い場合は天井部分に穴が開いたようになるので厚くすること。特に天井部分が広い場合は充填率を高くし支えをつくってから厚くすること。 天井は壁の厚さによって形成されたりされなかったりするため、文字のような細いもので壁を厚くしてしまうと、天井の厚さを設定しても、天井自体が造形されないことがある。

5 ■フィラメントの選択は良く考えて

フィラメントはランニングコストなので安いほうが良いと考える人もいるかもしれないが、今一度考えてほしい。安いフィラメントは溶融温度が不安定で径もまちまちであるため、上記のハード、ソフトの微調整を完璧に行っても、造形に失敗することがある。つまり、失敗が多くなりかえってランニングコストがかかることになる。
よって、安いフィラメントよりも安定して造形できる良いフィラメントを購入するべきである。値段が高いのであれば、まずは量の少ないものを購入すればよい。安物買いのなんとやらとならないように。


6 ■室温や湿度の影響は意外に大きい

室温や湿度は、造形物の冷却に大きく影響するので、十分配慮することが必要である。

造形する場合には25度以上の室温にしておくことが望ましく、20度以下だとまずきれいな造形は望めない。室温が低いと、フィラメントの曲がり(収縮)が大きくなり、ベッドからのはがれや、積層の歪みが起こる。

また、ワーク部分に当たる風(エアコン、扇風機)があると冷却むらが起こりやすくなる。(ただし、PLAは強制冷却ファンを利用したほうが良い場合もある)

湿度が高い場合、PLAでは吸湿してしまい、吐出時にノズル内で水分が蒸発しプチプチと音がして射出不良になる。この場合は、ノズル温度を上げて対処する。


6.1 ◆室温が低い場合の対処方法1:スライサー編

本来は、室温を25度以上に保ったり風を遮ったりすることが望ましいが、スライサー(Slic3r、Simplyfy3D)側で、ある程度の対処をする方法がある。

ここではReptiator-HostのSlic3rの設定で説明する。

(1)データを読み込む。

Skirt4.png


(2)Slic3rの設定の中の、[PrintSetting]>[Skirt and Brim]の[Loop]を1~2、[Skirt Height]を造形物の最大スライス数(レイヤ)以上の数に設定する。

Skirt5.png


(3)そのままスライスすると、造形物の周りにスカートの高い壁ができるので、壁といっしょに造形を行う。

Skirt3.png


壁といっしょに造形することで、急速な冷えによる曲がりや表面の劣化を防ぎ、また前後左右からの風を防御することが出来る。壁の内部で糸を引く場合は、リトラクト値を多めに調整すると良い。


6.2 ◆室温が低い場合の対処方法2:保温箱を作れ!

日本の冬は寒い。3Dプリンタは実は寒いのが苦手なのだ。なぜなら20℃以下で造形するとフィラメントが曲がったりうまくくっつかなくなってしまうからだ。こういう室温が低い場合には保温箱をつくると効果がある。ここではBS01ユーザーが自作したものを紹介する。

BS01の場合、テーブルが上から降りてくるタイプのため、XYガントリーの上部に帽子をかぶせるとそれなりに保温ができるようだ。開放部はきっちり止めなくても簾方式でも構わない。ただ、内部温度が上がりすぎると、基盤が加熱してフリーズする恐れもあるので、注意して取り組んでほしい。


ダンボールのみ(基本)

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アクリル板、自作フック、ダンボール(ちょっとおしゃれに)

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5cm厚のカネライト、4重アクリル窓(ここまでくれば実験室)

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4mmアクリル板(3mmでもOK。特注品でそれなりにお金もかかっている)

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プラダン(ミスターの秀作)

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7 ■その他有用リンク

http://support.3dverkstan.se/article/30-getting-better-prints